日音色 hineiro

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2024.04.11

22日目

午前中は、娘がお世話になっていた幼稚園の入園式の、ある一場面のお手伝いへ。
まだ花が残る桜の木の下、慣れない様子で手作りの通園バッグを提げたちいさい子たちが、手をひかれながら幼稚園に向かって歩く姿がありました。
娘もあんな風だったな。苦手な洋裁に苦心しながら私も通園バッグを作ったな。思い出がやわらく蘇ってきました。
久しぶりのお友達にも会えて、それぞれの近況やこれからのことを話せたうれしい時間。娘の幼稚園は、あの頃も今もこれからも、その場にいる人たちと心を交換し受けとめ合える、やさしい場として存在してくれています。

午後からは、小学校で毎年年度はじめにある娘の食物アレルギーの面談へ。
今年は普段関わりの多い5人の先生が同席してくださり、色々とお伝えしたり、質問を受けたり、一緒に考えてくださったり。毎回先生方の顔ぶれは違うけれど、今年も娘の気持ちを大切に考えてくださっていることが伝わってきました。
学校に限らず、対組織、と考えると敷居の高さを感じたり身構えてしまったりするけれど、ひとりの人と人、として相手を見つめ時間を重ねることで、互いにその間にあるものがほぐれ、気がつけば心と心で話せるようになるのかな、と感じています。

あたたかい気持ちになったり、ほっとしたり、心強さも感じた一日でしたが、そんな思いとはまた別のところで、この春はなんだか心がザワザワすることが多く、一日の終わりには、なんとなく落ち着かないような気持ちになります。
この春の星の動きをいろんなところから見聞きしているとそれも納得できる気がするけれど、いつもならするりとくぐりぬけてしまえるようなささいなことにも、思いがけず心が揺れてしまっている近頃。

夕方、そんなことを考えながらふと庭に目を移すと、桑の葉がますます緑を増やしていて、毎日少しずつ確実に葉を広げながら実を育んでいることをあらためて思い、しばらく眺めていました。
毎年この時季に芽を出し、少しずつ葉を広げ、時が来たらたわわな緑の姿を見せてくれる。私の揺れる心など関係なく、ただ時を経ながら自然の巡りを素直に享受している桑の木に、なんだか置いてきぼりにされたような気分です。
けれど、そんな気持ちになったことで、揺れる心も歩くペースも「そのままでいいんだよ」と、植物にどこか励まされ導かれているようにも感じました。

【今日作ったもの、食べたもの】
・カレー屋さんのスパイスカレー
自転車で行ける距離に、店主さんがお一人で営まれている小さなカレー屋さんがあります。
今日のお昼ごはんはそちらで。2回目の来店でしたが、前回も今回も、懐かしのJ-POPの曲が流れていて、それがなんだか落ち着きます。
店内の壁や家具もかわいい色合いで、カレーが盛られるお皿も鮮やかな水色。とても丁寧に盛り付けられたのだろうな、と一目で分かるお皿には、おいしく炊かれた雑穀ご飯と2種類のスパイスカレー。トッピングも色合いやバランスが工夫されていて美しく、お味もそんな丁寧さが表れていて味わい深くやさしいものでした。

外食の機会には、学びをたくさんいただきます。誰かに作ってもらったおいしいごはんをいただくという幸せも噛み締めます。